歯周病

歯周病は保険適用?治療費用に関する3つのポイント!

歯周病の治療は長期間に渡ることをご存知でしょうか。
 その日のうちに終わることはなく、長い場合は歯周病治療に1年以上かかることもあります。

  

歯ぐきから血が出る、歯がグラグラしている、口臭が気になる、という方は歯周病である可能性が高いです。 

  

この記事では、歯周病治療に関する費用や流れ、さらには保険が適用となるかまで詳しく解説していきます。


ご自身の歯周病はどのくらい進行しているかも併せて読んでみてください。
 

 

歯周病とは 

歯のイラスト


「歯周ポケット」という言葉を聞いたことはあるでしょうか? 

歯周病とは、歯周ポケットである歯と歯ぐきの間に細菌や汚れが溜まっていき、歯ぐきの中で炎症を起こした状態です。 

  

突発的に引き起こるのではなく、時間をかけて徐々に進行していきます。 

よって初期の段階で発見することが出来ず、気付いた時にはかなり進行しているという場合が非常に多い恐ろしい病気です。 

症状別から見る歯周病治療の費用と流れ 

歯周病の説明をしている

 

歯周病も他の病気と同じように、早期発見と早期治療が非常に大切です。 

進行してしまった歯周病は治療にも時間が掛かり、その分費用も高額になります。 

  

どんな症状であっても初診の場合は、レントゲン撮影による歯槽骨の検査や、歯ぐきの状態、噛み合わせなどの検査を行います 

  

症状や歯の形は人それぞれ異なるので、明確な金額を表記するのは難しいですが、参考の費用について解説していきます。

軽度の場合 

軽度の歯周病の場合、治療にかかる金額は約5,000円ほどです。 

  

歯と歯ぐきの間に溜まった歯垢は、硬くなって歯石になります。 

歯石は歯磨きで落とすことが難しく、歯医者さんで取り除いてもらわないといけません。 

  

この状態を放置すると、歯ぐきが赤く腫れあがった状態になります。 

歯磨きをする度に、出血するのが気になったら軽度の歯周病を疑いましょう。 

  

治療の流れとしては、 

  1. 歯の組織の検査 
  2. 歯石の除去(スケーリング) 
  3. 治療前と治療後の歯の状態を比較する 
  4. 再発防止のためのメンテナンス(SPT)

となります。

 

治療にかかる期間は1ヵ月程で、その後はメンテナンス期間に入ります。 

初期の歯周病であれば、治療内容は歯石を取り除き、メンテナンスをすれば改善できます。 

費用も時間も最小限で済むので、早期発見を心掛けましょう。 

中等度の場合 

中等度の歯周病治療にかかる金額は、約5,000円から10,000円ほどです。 

  

初期の頃から症状が進行すると、歯周ポケットの深さは4mmから6mmまで深くなり、顎の骨まで溶かされた状態になります。 

  

この頃から歯ぐきがひどく腫れてブヨブヨになり、歯周ポケットから膿が出てきます。 

その影響で口臭が気になり始め、歯ぐきに強い違和感を覚えるようになります。 

  

痛みはありませんが、ピンク色だった歯ぐきは赤く腫れてきて、食べ物が詰まりやすい状態になります。 

  

治療の流れは、

  1. 歯の組織の検査 
  2. 歯石の除去(スケーリング)、クリーニング(プラークコントロール) 
  3. 歯の組織の再検査 
  4. 歯ぐきの奥深くにある歯石除去 
  5. 歯の組織の再検査 
  6. 再発防止のためのメンテナンス(SPT) 

となります。 


歯周ポケットが深くなっているので、歯ぐきの奥に溜まった歯石を除去しなければいけません。
 

その都度、歯の動揺や歯垢の量、噛み合わせ、歯肉の炎症など、歯の組織が正常かを検査します。 そのため、治療の期間は3ヵ月から6ヵ月程度は掛かります。 

  

ここまでなら、まだ被害は少なくて済みます。 歯ぐきの違和感や、口臭が気になったらすぐに歯医者さんを受診してください。 

重度の場合 

重度の歯周病に必要な費用は、約10,000円から50,000円程です。 

しかし、症状によってはそれ以上になる可能性もあります。 

  

歯周ポケットの深さが6mm以上になり、歯ぐきが下がって歯が長くなったように見えます。 

歯と歯の隙間が目立ち、出血も酷く、歯が激しくグラつくので食事にも影響が出てきます。 

破壊された組織から膿がさらに出てきて、痛みを伴いながら口臭がより強くなります。 

  

ここまで思い当たる節がある方は、一刻も早く歯医者さんを受診してください。
顎の骨まで溶かされて支えを失った歯は、やがて抜けてしまうのです。 

  

治療の流れは、

  1. 歯の組織の検査 
  2. 歯石の除去(スケーリング)、クリーニング(プラークコントロール) 
  3. 歯の組織の再検査 
  4. 歯ぐきの奥深くにある歯石除去 
  5. 歯の組織の再検査 
  6. 手術をして歯石の除去(歯周外科治療) 
  7. 歯の組織の再検査 
  8. 再発防止のためのメンテナンス(SPT)

  となります。


重度の場合の治療期間は、6ヵ月から1年は掛かります。 

矯正やインプラント治療が必要になった場合は、1年から2年程度は必要です。 

  

歯ぐきの奥深くに溜まって、取り切れなくなった歯石は手術をして除去します。 これが、歯周外科治療です。 歯ぐきに麻酔をし、歯肉をめくって、歯の根元が見える状態にしてから残った歯石を取り除きます。 

  

酷く歯周病が進行していると、骨の形も変形している可能性があります。 その場合は、整形も同時進行で行わないといけません。

 

歯周外科治療が必要な場合にかかる費用は、 保険の適用の中で行うので1歯12,000円程です。

 

ここまで来ると、決してすぐに支払える安い金額ではありません。 

それでは、歯周病治療に関する保険適用の範囲はどこまでなのでしょうか。 

歯周病治療は保険適用になる? 

ここまで、歯周病の症状別に費用や期間を見てきました。 

早期発見が出来れば金額も安いですが、少しでも発見が遅れると負担が大きくなることがお分かりいただけたと思います。 

  

とは言え、進行してしまった歯周病の治療費が高額になった場合、保険が適用されて自己負担額が安くなったら嬉しいですよね。 

  

そこでここからは、歯周病治療と保険適用について詳しく解説していきます。 

基本的には健康保険が適用される 

歯医者さんに行って、歯周病の治療をする場合、基本的には保険適用の治療を行います。 

よって、治療費も健康保険の適用範囲内である3割負担で済みます。 

  

治療の流れを見ても分かる通り、保険が適用される歯周病治療は、歯の組織の検査を最初に行います。 それから医師が診断した結果を元に、歯科衛生士が歯石の除去や炎症物質の除去を行って、歯の組織を改善していくというものでした。 

  

症状や治療する歯の本数など、患者さんによって異なりますが、軽度から中等度の歯周病であれば、保険適用内での治療が受けれます。

歯周外科治療でも保険が適用される?

歯周外科治療は保険の適用の中で行うので1歯12,000円程です。

 

重度の歯周病の場合は酷く痛みを伴うこともあるため、麻酔をしてから歯肉を切って炎症物質を除去しなければいけません。 これが歯周外科治療であり、簡単に言えば、手術をするということです。 

 

ちなみにこれまで保険適用外となっていた、リグロスはエムドゲインと同じ様な効果のお薬で保険が適応され、1歯当たり約12,000円程です。

 

とはいえ、歯周外科治療の金額には患者さんによって非常に幅があります。 

症状は全く異なるので、しっかり歯医者さんと確認をしましょう。 

歯周病治療の保険適用内と適用外では何が違うの? 

歯周病治療で、健康保険が適用されると治療費は3割負担で済みます。 これは全国で統一された金額であるため、どこの病院で治療をしても、だいたい同じ費用で済みます。


歯周病治療に限った話ではないですが、健康保険の利点とも言えるでしょう。 

  

しかしこの健康保険には、1回の治療で使える材料の量や、保険が適用になる治療法には上限があるなど、細かく厳しいルールが存在します。 

  

その証拠に、歯医者さんは何回も通って治療するイメージがありませんか? 

それは、このように保険の適用内で出来る治療が限られているからなのです。 

  

自己負担額が3割負担で済む代わりに、全ての治療を受けることができないのが保険診療のデメリットとも言えます。 

  

一方で保険適用外の治療は、自由診療と言われるくらい、出来る治療内容や使える材料の幅が広がります。 


国や法律で決まった内容ではないので、保険適用外の治療費は病院が自由に設定できます。
 

そのため、保険が適用されない治療費は病院ごとに大きな差が生まれているのです。 

  

治療費が高額になる保険適用外の場合は、歯医者さんのホームページや口コミを見て価格設定や、治療内容を事前にしっかり確認しましょう。 

歯周病治療が高額になってしまった時の対処法 

白衣の女性


歯周病による歯周外科治療や矯正歯科は費用が高額になりがちです。
 

膨大な費用と時間を掛けて治療するのは精神的にも辛く、 「もっと早く治療すれば良かった・・・」 と後悔してしまいますよね。 

  

しかし、国や歯医者さんは高額な治療費の負担を、少しでも緩和してくれる救済処置を用意してくれています。 

  

ここからは、歯周病の治療で高額になった医療費の負担を、少しでも抑える方法をご紹介します。 

高額医療費控除で治療費を取り戻す 

高額医療費控除とは、年間10万円以上の医療費を支払った場合、所得控除を受けることができる制度です。 税務署に確定申告を行うと、支払った医療費の一部が手元に返ってくるので、実質の負担額を減らすことができます。 

  

歯周病治療によって歯科矯正をするなど、治療を目的とした場合が対象になります。 

医療費控除の明細書を使って確定申告をするので、必ず医療費の領収書は捨てずに保管しておきましょう。 

  

また、ローンやクレジットの分割払いで治療費を支払った場合でも高額医療費控除を受けることができます。 そのため、ローンの契約書やクレジットを利用した時の領収書も必ず保管してください。 

  

高額医療費控除は、分からないこともたくさんあるので、治療をしてもらった歯医者さんや税務署に相談をしてみましょう。 

歯周病は保険適用について|まとめ

いかがでしたか? 

ここまで、歯周病治療の費用や保険が適用になるかを見てきました。 

  

覚えておくポイントとしては、

  • 軽度や中等度の歯周病は保険が適用され、治療費も安くて済む 
  • 重度の場合は治療費も高く、保険が適用にならない歯周外科治療もある 
  • 治療費が高額な場合は、高額医療費控除を検討する 

この3つです。

 

歯周病を予防するには普段からの歯磨きや、お口のケアが大切です。 

少しでも、歯ぐきに違和感があったり、口臭が気になり始めたら、すぐに歯医者さんを受診しましょう。 

  

歯周病は早期発見と早期治療で、歯とお財布に優しくすることができます。


大須歯科医院では、日本歯周病学会認定の歯周病専門医が在籍しています。

 

当院ではカウンセリングに時間をかけ、お悩みを汲み取ることで、一人ひとりに合った治療を提案しています。歯周病でお悩みの方は親身になって治療にあたらせて頂きますので、安心してお任せ下さい。

 

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